プロダクト3層モデルとは何か?(製品の三層構造、三階層モデル)
製品戦略を理解する上で基礎知識として押さえておきたいキーワードの一つに、著名な経営学者のフィリップ・コトラーが提唱した「プロダクト3層モデル」があります。
プロダクト3層モデルは、「製品の三層構造」、「三階層モデル」とも呼ばれています。
フィリップ・コトラーは、「製品」は、「(1)製品の核」、「(2)製品の形態」、「(3)製品の付随機能」の3つの階層から成り立っていることを唱えました。
それでは、「(1)製品の核」、「(2)製品の形態」、「(3)製品の付随機能」の3つの階層を以下に詳しく解説していきます。
(1)製品の核
一つ目の「製品の核」とは、「消費者が製品から得られるベネフィット(便益)」のことを言います。
ちょっとこれでは理解するのは難しいかもしれません。
さらに分かりかりやすく言えば、「製品の核」とは、「消費者が製品を買う目的」のことを言います。
「消費者が製品を買う目的」は何かと言うと、消費者は自分が抱える問題を解決するという目的のために製品を購入します。
消費者は自分が抱える問題を解決するために製品を購入しますので、「製品の核」は、目に見えないものとなります。
「製品の核」の例としては、自動車ならば移動手段が欲しい、スマホ(電話)ならば友人や知人と連絡を取り合いたい、テレビならば最新のニュースに触れたいなどとなります。
(2)製品の形態
二つ目の「製品の形態」とは、「品質水準・特徴・デザイン・ブランド・パッケージなど」のことを言います。
もっとわかりやすく言えば、「製品そのもの」のことを言います。
1.製品の核は、目に見えないものでしたが、2.製品の形態は、実際に目に見えるものとなります。
例えば、上記1.製品の核からの流れで言うと、移動手段が欲しいので自動車を、友人や知人と連絡を取り合いたいのでスマホ(電話)を、最新のニュースに触れたいのでテレビを購入などとなります。
(3)製品の付随機能
三つ目の「製品の付随機能」とは、「製品に付随するサービス」のことを言います。
例えば、アフターサービス、保証、配達、取り付けなどがあげられます。
プロダクト3層モデル(製品の三層構造、三階層モデル)で一番抑えておきたい大切なポイントとは何か?
本ページで学んだプロダクト3層モデル(製品の三層構造、三階層モデル)で一番抑えておきたい大切なポイントは、結局のところ「我々が普段目にしている製品は消費者の欲求を満たす手段でしかない」ということです。
なぜなら、上記で学んだとおり、目に見える「製品(の形態)」は3層のうちの2層にあたり、「製品の形態」の先の1層にある「製品の核」こそが、消費者が求める真の目的だからです。
例えば、よくある話で、ホームセンターでドリルを購入するお客さんはドリルが欲しいのではなく、板に穴を開けたいのです。
板に穴を開けたいという目的、問題解決のために、手段としてドリルを買っているにすぎません。
ドリルが好きでコレクターとしてドリルを買っている訳ではないのです。
もし容易に穴が開くならばドリルでなくても、他の製品でも構わないのです。
さらに突き詰めて考えれば、逆に最初から穴付きの板を販売すればいいと発想が出てきます。
そうすると、ドリルは不要となってしまいます。
ここがポイントです。
あなたは、必死になってドリルを売っていないでしょうか?
あなたはドリルを売りたいが、消費者は穴を求めているのです。
ならば、穴を売れば、苦労することはないですよね。
とかく、我々は普段目にすることができる2層の製品(の形態)にばかり気を取られ製品の販売に躍起になっています。
しかし、目に見えない消費者の真の目的の問題解決こそがビジネスにおいて大切なのが、上記のドリルと穴の例で理解できていただけたかと思います。
目に見える製品は問題解決の手段にすぎず、目に見えない欲求(問題解決)こそが真の製品購入の目的ということを押さえておいてください。
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