商品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)

マーケティング マーケティングの知識

商品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)とは?

MBAやマーケティングの理論の一つに「プロダクトライフサイクル」(Product Life Cycle=PLC)という考え方がある。

「プロダクトライフサイクル」は、“プロダクト=製品=商品”なので、「商品ライフサイクル」とも言われている。

ここでは、メーカーではなくサービス業を論じているので、以下、「商品ライフサイクル」として説明していく。

「商品ライフサイクル」とは、商品の寿命のことである。

商品にも人間同様に寿命がある。

商品にも寿命があることを知ることで、適切な戦略を練ることができる。

また、「商品ライフサイクル」は、商品販売だけでなく、もちろん、企業経営を考えるさいにも利用できる。

「企業の寿命は50年」と言われているが、「商品ライフサイクル」を応用して戦略を練ることが可能である。

 

商品ライフサイクルの4つの時期

商品ライフサイクルは、以下の4つの時期に別れる。

商品ライフサイクル

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

以下、それぞれについて取るべけ戦略を説明していく。

 

商品ライフサイクル(1)導入期

商品認知度を高める

導入期とは、商品ライフサイクルの最初のステップ。

商品を販売開始した直後の状態である。

この時期は、商品自体が知られていない。

なので、商品を知ってもらうための宣伝活動が必要である。

そのため、導入期は、コストがかかり、利益は得られにくい。

 

商品ライフサイクル(2)成長期

市場シェアを最大化

導入期の次に来るのが成長期である。

導入期での宣伝効果を活かして売り上げを拡大して行く。

市場が拡大するにつれ、多くの企業が参入し、ライバルも増えて来る。

売り上げが急な右肩上がりとなり、利益も4つの時期の中で最も得られる。

戦略としては、市場シェアを最大化を念頭に、流通チャネルを増やし販売を拡大して攻めに転じて行く。

そして、利益を確保し、商品への投資分の回収も行っていく。

 

商品ライフサイクル(3)成熟期

商品の差別化

成長期の次に来るのが、成熟期である。

お客のほとんどが商品を購入したため、市場が成熟を迎える。

そのため、売り上げは緩やかな右肩下がりとなる。

需要よりも供給が多くなるため、お客の判断基準が価格重視になる。

戦略としては、マイナーチェンジ、ブランド向上、ターゲットの見直しなどを図り、他社との差別化が必要となってくる。

 

商品ライフサイクル(4)衰退期

存続か?、撤退か?

最後のステップが、衰退期である。

商品が飽きられたり代替品が登場するなどし、市場が縮小する時期である。

存続か撤退かを考える時期である。

衰退期に入った企業が打つ手として次の3つの方法がある。

衰退期で行う戦略

  1. リーダーシップ戦略:他社が参入できないように参入障壁を作り、市場に居残る。
    例:上位の企業が下位の企業を撤退させるために価格を引き下げ価格競争を仕掛ける。そして、利益を確保できない下位の企業が撤退した後は、再度価格を引き上げる。
  2. 収穫戦略:最終的には市場から撤退するが、それまでに、コストを最小限に抑えて残りの収益をできる限り確保する。
  3. 早期撤退戦略:損失を最小限に抑えるために早期に市場から撤退する。

 

ケーススタディ

では、商品ライフサイクルを、近年ブームとなった「パンケーキ」を例として考えてみよう。

ホテルのレストランでパンケーキを展開する例を述べる。

もちろん、パンケーキがまだ、ブーム前と仮定して説明していく。

 

導入期

導入期は、認知度向上がテーマとなる。

なので、自社のパンケーキをウェブサイトやSNSはもちろんのこと、雑誌に記事として取り上げてもらったり、テレビで紹介してもらったりするなど、メディア戦略を行い、ターゲットへの認知を広めていく。

成長期

成長期は、市場シェア最大化がテーマとなる。

そのため、流通チャネル(経路)を増やし、より多くのお客に目に触れる戦略を取る。

戦略としては、ホテル内とホテル外が考えられる。

a)ホテル内

ホテル内では、パンケーキをレストランだけでなく、ロビーラウンジで提供したり、ルームサービスでもお届けする。

また、パンケーキをテイクアウトできるように改良し販売を行うなど、ホテル内でのチャネルを増やしていく。

b)ホテル外

また、ホテル外では、デパート、スーパー、コンビニ、道の駅、産直店などの小売店と組み、これら小売店でのスイーツコーナーなどで「ホテルのパンケーキ」として販売を行っていく。

もちろん、ホテル外での販売に耐えうるように改良を行った上で、展開していく。

また、小売店での販売を、ホテルのレストランへの誘客の機会と捉える。

 

成熟期

成熟期は、差別化がテーマとなる。

パンケーキに色々なバージョンを加えていく。

例えば、チョコレート、ストロベリー、マンゴー、ブルーベリーなど様々な味を増やしていく。

また、生地の小麦粉やホイップクリームの生クリームなどの食材をこだわりのあるものにしていく。

さらに、スイーツとしてではなく、お食事としても食べることができるようにするなど、あらゆるシーンで食べることができるようにしていく。

以上を行うことで、他社と差別化を図っていく。

 

衰退期

衰退期は、事業を存続させるか、撤退させるかを見極める時期である。

パンケーキ事業を精査し、上記に説明したように、衰退期で行う戦略(リーダーシップ戦略、収穫戦略、早期撤退戦略)の3つの戦略から最適なものを選択する。

価格競争などで参入障壁を作りパンケーキ市場に居残るか(リーダーシップ戦略)、コストを抑えつつできる限り収益を確保した上でパンケーキ市場から撤退するか(収穫戦略)、早々とパンケーキ市場から撤退するか(パンケーキ市場)のいずれかの道を選択することとなる。

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