モスバーガーの広告の秘密とは?
突然ですが、モスバーガーをご存じですか?
モスバーガーは言わずと知れた、大手全国チェーンのハンバーガーショップですね。
私の住む街にもあります。
出勤や用事の度に、近くにあるモスバーガーの前をいつも通ります。
このモスバーガーでは、店頭に大きくカラフルな垂れ幕が設置されています。
この垂れ幕には、期間限定の新商品がプリントされています。
この垂れ幕は、期間限定の新商品が発売される度に入れ替わります。
この季節で入れ替わる垂れ幕を日々横目に行き来しているうちにわたしはあることに気がつきました。
それは、モスバーガーの期間限定の新商品は必ず一つではなく二つ同時に発売されるということです。
期間限定の新商品が入れ替わり垂れ幕が別のものに差し替えられても、垂れ幕には常に一種類ではなく二種類の商品が掲載されています。
なぜモスバーガーの期間限定の新商品は、常に一種類ではなく二種類なのでしょうか?
実はこれは、マーケティングや心理学で言う「ダブルバインド」(Double bind)というテクニックなのです。
ダブルバインドとは何か?
ダブルバインドとは、お客様に商品を売る場合に、「買うか?買わないか?」を提案するのではなく、商品を二つ用意して「どちらを買うのか?」を提案する方法となります。
ダブルバインドのカラクリはこうです。
買うか?買わないか?の場合は買わない方を選択される可能性があります。
しかし、どちらを買うのか?の場合は、買わない選択肢がありませんので、商品購入を断られる(買わない)確率が減る可能性があります。
逆に言えば、ダブルバインドは、商品を購入される確率が高まるのです。
このように、ダブルバインドは、買うか?買わないか?、どちらを買うのか?、といった同じ二択でも結果が異なることになります。
ダブルバインドについては、下記のページでも解説しております。
ぜひ、ご参考ください。

お客様に対する心構えのポイントとは?
また、ダブルバインドを行ううえで、お客様に対する心構えとしは、「初めから商品を買うことを前提」として考えるのがポイントです。
初めから商品を買うことを前提として、「どちらの商品を買うのか?」を提案する形がポイントとなります。
ダブルバインドを具体例でわかりやすく解説
では、ここで、ダブルバインドをより深く理解するために、具体例をあげてわかりやすく解説してみましょう。
ハンバーガーショップの場合
(1)ダブルバインドがない場合(買うか?買わないか?の場合)
店員:ハンバーガーはいかがでしょうか?→×
お客様:(別にいらないなぁ)
(2)ダブルバインドがある場合(どちらを買うのか?の場合
店員:本日のおすすめは、チーズバーガーとテリヤキバーガーです。どちらにいたしましょうか?→◯
お客様:(どっちがいいかな?)
ダブルバインドを行うときの注意点とは何か?
今回は、ダブルバインドについて解説してきました。
ここで、ダブルバインドを行う上での大切な注意点について述べてみたいと思います。
ダブルバインドを行う上での注意点とは、ダブルバインドは、昔から行われている言わば手垢のついた手法ですので、あまりあからさまに行うとダブルバインドをご存知のお客様に気づかれてしまう可能性があります。
私も以前、東証一部上場の全国チェーンのレストランで店長を行っていた時に自作メニューを作りお客様は業界人でないのでご存知でないだろうとダブルバインドを実践したところ、メニュー表をみていたお客様から「これってダブルバインドだよね」といったヒソヒソ声が聞こえてきて冷や汗を書いた経験があります。
このように、ダブルバインドは、手を抜いてあからさまに行うと意外と気づかれる可能性もあります。
ですので、ダブルバインドは、ひっそりこっそりとさりげなくスマートにおこなってください。
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