クロージングとは何か?
クロージングとは、ようするに、セールス活動の最終局面において、買うのか買わないのか迷っている顧客に買っていただくために行う最後のセールス活動のことである。
クロージングのテクニックを使えば、より多くのお客様より「Yes」をいただくことができる。
クロージングで絶対に注意する点とは?
クロージングで勘違いしてはならないことは、お客に押し売りしないことである。
お客に無理に買わせては、あなたはただただ恨まれるだけである。
また、お客に無理に買わせれば、それ以降得られはずの、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)も得られない。
なので、クロージングでは、お客が自らが手を上げて「欲しい!買います!」と言ってもらうような形に持っていかなければならない。
そのための方法を以下に述べていく。
クロージングの流れ
クロージングには、お決まりのパターンがある。
そのパターンとは下記4つの段階である。
クロージングの流れ
- 値下げ
- 特典
- 保証
- 期限
上記のクロージングのテクニックは、どの業界でも行われているが、一番身近な例では、テレビショッピングでよく見られる。
テレビショッピングでは、家電から健康食品までいろんな商品が売られているが、どの商品でも、最後のクロージングの場面では、だいたいが上記のような流れになっている。
普段は流して見るテレビショッピングを、一度位は、ぜひじっくりと見てみて欲しい。
「クロージングの流れ」の注意点
上記「クロージングの流れ」において注意点がある。
それは、必ず1から4の順番に行うことである。
例えば、先に4の期限が来てもダメである。
なぜなら、人間の心理状況に沿って順に並べてあるからである。
「クロージングの流れ」では、最初に、最も購買意欲を高める「値下げ」を行って、次に購買意欲を高める「特典」を付ける。
そして、「値下げ」と「特典」を付けてお客様の購買意欲が最高に高まっているところにさらに追い打ちをかけるように「保証」をつける。
最後に、その美味しい商品は、今しか手に入らないという「期限」を告げ、お客様の重い腰を一気に購買まであげてもらうのである。
このように「クロージングの流れ」は、人間心理に基づいて順番を設計してあるので、この順番で行うようにする。
それでは、クロージングの流れを一つずつ順番に説明していこう。
1.値下げ
値下げとは、定価よりも値段を下げることである。
値引きをすることである。
値引きを行うと、買ってもらう確率が高くなる。
なぜなら、値引きは、消費者にとって購買意欲を高める最高の方法だからである。
例えば、スーパーのお惣菜売り場の例がもっとも顕著であろう。
スーパーが閉店に近づくにつれて、お惣菜に、2割引きや3割引きのシールが貼られている。
しまいには、半額のシールも貼られる。
思わず、その値引きに釣られ、買う予定のなかったものまで買ってしまったことが、あなたも一度や二度あるだろう。
人は値引きに弱いのである。
2.特典
特典とは、オマケのことである。
買っていただく商品に、無料で商品やサービスを追加することである。
特典のパワーもまた絶大である。
極端な例では、本来の商品よりも、特典が欲しくて買ってしまう例もあるほどである。
特典の例を見てみよう。
例えば、ホテル業界では、無料で(一部は価格に含まれている場合もあるが)、様々な特典を付けて集客を行っている。
一例をあげてみると、お部屋グレードアップ、駐車場無料、早期チェックイン、ウェルカムドリンク、貸し切り風呂、選べる色ゆかた、レディースアメニティ、夕飯でのワンドリンクサービスや一品サービス、朝食無料、チェックアウト時間延長、お土産、ガソリン代、帰りに飲むドリンクなどなど、様々な特典を付けている。
3.保証
保証とは、お客様が商品、サービスに満足いただかなかった場合に、購入代金の全額返金などを行い、購買時のお客様のリスクを無くすことである。
やはり、保証があるのとないのとでは、当然あった方がお客様にとってリスクがないので、買っていただける確率が高まる。
保証があれば、「もしもの時は返金できるから買ってしまおう」と購買決定の大きな要因となり、心理的効果が高い。
保証の例を見てみると、例えば、レストラン業界では、星野リゾートが経営するアルツ磐梯スキー場にある磐梯食堂において、ひと口食べて満足いただけなければ料金全額返金をするという「美味しさ保証付カレー」を提供している。
また、ビジネスホテル業界では、スーパーホテルにおいて、「ぐっすり眠れなければ、宿泊費をお返しします」という「宿泊品質保証制度」を展開している。
4.期限
期限とは、購入の締め切り日のことである。
商品には、できるだけ購入期限を設けるべきである。
なぜなら、人間は、期限がないと行動しない動物だからである。
例えば、テーマパーク・遊園地業界の例で見ると、経営難で閉館する遊園地が、普段は閑古鳥が鳴いているのに閉館前は最後とばかり駆け付けた人々でごった返すのは、よく見る光景である。
また、観光施設業界の例で見ると、地元の人が「いつでもいける」とその地元の名所に行ったことがない例もみられる。具体的に言えば、東京に住む人が東京タワーに登ったことがないようなことは、よく聞かれる。
このように、ともかく、期限、デットラインが無く、いつでも買える状態にしておくと、人は、「今でなくてもいい。今度でいい」と行動しないものである。
だから、商品には、必ず、いつまで限りの販売なのか購入期限を設けるべきである。
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